教室紹介

ごあいさつ

福岡市早良区原の裏千家茶道教室「明天庵」のホームページをご覧いただきありがとうございます。教室の責任者兼指導を担当させていただいています原野和芳です。
当ホームページでは、はじめて茶道に関心を持っていただいた方に対して少しでもわかりやすい表現で茶道を紹介すること。そして開設の想いを理解していただき、もし共感していただけるようであれば茶道の豊かで奥深い世界を共に実践してもらえればと願うものです。
茶道の紹介は別の項目でご紹介させていただきますので、ここでは開設の想いを述べさせていただきます。
私が茶道の道に足を踏み入れたのは、おそらく一般的な教室の先生方と比較すると随分年齢がいってからになります。2015年中華人民共和国(以下中国)の天津市に着任してからです。裏千家は先代の鵬雲斎大宗匠が茶道を通じての世界平和を希求してアジアを中心に世界各国に茶室と支部を開設されました。
日本と中国は、日本という国が国として形をもって爾来2000年に渡り交流を重ね、その悠久の時を師として仰いできました。茶葉自体も薬として、さらには嗜好品として栄西によって紹介されたことは有名な話です。
他方、残念なことに、ほんのわずか150年前に西洋列強の植民地政策の歴史的なうねりに翻弄された両国は、時代の潮流に流され、たくさんの不幸な出来事に見舞われることとなりました。
鵬雲斎大宗匠は、政治でも経済でもない、文化交流を通じて両国の平和の架け橋として茶室を天津市に3ケ所設置され、日本人の指導者を派遣し続けていました。2015年当時、国見先生が指導に当たられており、その後、山崎先生、益田先生に師事する機会を得ました。2018年に帰国してからは福岡市早良区の大山社中でご指導いただき、今日に至っています。
茶道の教室は、猫の目のように時々刻々と変化する時代の流行り廃りの中で、残念ながら必ずしも昔ながらのプレゼンスを保持できているわけではありませんが、自身のわずか10年くらいの在外経験の中ででも、日本人としてアイデンティティー、外国人から見た日本の文化的優位性および特徴、生活の中における悦びの発見、そして人生観という本質的命題において、茶道の存在意義を強く意識させられました。
明天庵において下記のテーマを目指して教室を運営したいと考えています。
〇茶禅同一味
〇立ち振る舞い
〇日本文化のバトンの継承
〇こどもたちの健全育成
〇季節の愉しみ
〇外国人に日本伝統文化の紹介
まだ自身が修行の身であり、おそらくゴールや悟りを目指しつつも、到底届かないであろう研鑽の旅ですが、だからこそ一所懸命に取り組み、励む価値があるものと信じて、地域貢献と国際交流の拠点なれるよう、歩みを進めたいと決意するものです。
ごあいさつの最後になりますが、茶の湯の稽古にはどうしても費用が嵩んでしまいます。教室に備える備品はもちろん、毎回のお稽古で使用するお花、抹茶、お菓子、茶筅など消耗品が数多くあり、それらを月謝で賄うことになります。これがどうしてもお稽古を始める方々の障害になることは承知していますが、数多くの道具や消費する飲食を伴う性質上、ご理解いただけると幸いです。

明天庵の想い

明天とは中国語で、日本語にすると「明日」という意味になります。裏千家お家元には、裏千家に少しでも関わる者であるならだれでも知っている「今日庵」という宗旦が還暦に建てた裏千家を代表する一畳台目の小さな茶室があります。
「今日」の由来は、宗旦の禅の師匠であった清巌和尚が訪問された際に、宗旦に所用があったため「明日お出でください」という伝言を残され外出されたそうです。これに対して「懈怠の比丘、明日を期せず」と腰張りに書き残され帰られました。その文言を読み、明日の事などわからないこの世で、今日を大切にせず明日の約束を求めたことを深く悔いた、という自戒の念からによるという逸話が残っています。裏千家はこのような宗旦の想いを継承した流派だと言えます。
この文脈から敢えて、同じく今日を大切にしつつ、明日の時代、こどもたちに日本の伝統文化を託す、という願いを込めて、そして中国で茶道を始めた自身の起源と縁を忘れないために中国語で{明天の庵}と名付けさせていただきました。

講師プロフィール

原野 宗和(和芳)
Souwa(Kazuyoshi) Harano

一般社団法人 今日庵 裏千家 講師、天津裏千家茶道愛好会会員
2015年8月、中華人民共和国天津特別区に赴任、裏千家天津出張所にて国見先生、山崎先生、益田先生に師事する。
2018年6月帰国、福岡市、裏千家茶道教室、大山宗辰先生に師事、2022年7月講師、2023年11月明天庵開設、2024年7月専任講師、茶名を認可される。